Q&A
2026/10/01

後見法改正で、任意後見監督人は付かなくなる?

「任意後見契約に関する法律」の改正により、これまで必須だった任意後見監督人について、選任しないことができるようになります(改正後の任意後見契約法7条5項。家庭裁判所が「明らかに任意後見監督人による監督の必要がない」と認めるとき)。

この点、「任意後見制度について、不便や不都合を感じた点、制度を改正すべきだと感じた点」として、

「任意後見監督人や家庭裁判所による監督が負担に感じる」
「任意後見監督人に報酬が支払われることが負担に感じる」
との声もあったところです。
(「任意後見制度の利用状況に関する意識調査について」第14回成年後見制度利用促進専門家会議(令和5年3月29日)配布資料2-3(法務省民事局作成))


では、ご家族が任意後見人である場合にも、今後は広く監督人が付かなくなるのでしょうか。

この点について参考になるのが、令和8年5月22日の衆議院法務委員会における法務省の答弁です。

法務省民事局長の松井信憲氏は、監督人を選任しないケースについて、次のように答弁しています。

「任意後見人が後見事務に精通した専門職である場合など、明らかに任意後見監督人による監督が必要ない場合にまで例外なく任意後見監督人を必要とすることについては、監督の負担が重過ぎるとの指摘がございます。」

「今述べたような議論の経緯から、この要件に該当する場合としては、具体的には、例えば、任意後見人が成年後見制度に精通した弁護士等の専門職であり、本人のために事務遂行した実績もあり、本人との直接取引が予定される等の関係性にない場合などを想定しております。」

つまり、弁護士などの専門職でさえ、当然に監督人が不要になるわけではない、という考え方が示されています。


そうすると、ご家族が任意後見人になるケースについて、改正後は広く監督人が付かなくなる、と考えるのは難しそうです。

もちろん、法律上は、ご家族であるというだけで「監督人なし」が排除されているわけではありませんし、最終的には、改正法施行後の家庭裁判所の運用を確認する必要があります。

しかし、少なくとも、上記答弁を見る限り、監督人を付けないのは限定的な場面を想定していると考えておいた方がよいでしょう。

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