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マンションの管理を任せたい(マンション居住者支援信託)

「マンションの管理を任せたい」

① ご依頼者様から頂いたご相談内容

 私は、築40年のマンションの一室に住んでいます。

 私自身、段々と年をとって物忘れも多くなってきたのを日々実感しており、もし、認知症になってしまった場合が心配です。

 というのも、先日、マンションの管理組合集会で、昔から住んでおられるお年をめされた方が出席されていたのですが、議決をとる際、その方は全ての議案について、賛成にも反対にも手をあげてしまっており、どうやら、認知症で判断が難しくなっておられたようです。マンション

 私が住んでいるマンションは、駅近で非常に立地が良く、もしかすると将来、建替え等もあるかもしれません。

 あるいは、幸い中古価格も比較的高いようですので、売却することもあり得ると思います。

 しかし、判断能力が低下してしまっていては、日々のマンション管理組合集会での議決権行使はもとより、肝心な建替え決議の議決権行使や、売却の手続きがタイミング良く出来ないと聞きました。

 何か、良い方法はないでしょうか?

② 解決方法の選択肢

 まず、認知症になってしまった場合、財産管理をしてもらう制度としては、家族信託のほかにも、「後見制度」があります。

 何でも家族信託ということではなく、他の制度で対応出来ないかも比較検討してみることが大切です。

法定後見制度

 そこで、例えば、実際に判断能力が低下した段階で必要に応じて、法定後見制度を活用することが考えられます。

 ただ、後見人選任には家庭裁判所の選任審判が必要であり、申立て準備開始から実際に後見人が代わり権利行使出来るまでには、2~3か月は掛かるのが通常です。

 よって、例えば、売却や建替えに賛成の意向を示していたとしても、実際の売買手続きや建替え決議までに判断能力を喪失してしまうと、これらをタイミング良く即時に行うことは出来ないという限界があります。

任意後見制度

 そこで、予め「任意後見契約」を締結しておき、これらの代理権を与えておくことが考えられます。

 ただ、こちらも、実際に任意後見人が権限を行使するには、家庭裁判所で任意後見監督人を選任してもらう必要があり、これも早くても1か月程度はかかり、即時には行ってもらえないのが通常です。

 また、建替え時に借入が必要になった場合等に、後見制度の枠内でどこまで対応できるのか、やや不透明な点があります。

 なお、任意後見人による議決権行使に関しては、マンション管理規約の定める代理人資格制限(区分所有者と同居していない甥姪は不可等)が問題にならないか、念のため事前に確認しておいた方が良いと思われます。

【参考】任意後見人による議決権行使?

(後見人による議決権行使に関して、これを解説した国土交通省標準管理規約46条コメント⑤によると、「組合員の法定代理人については、法律上本人に代わって行為を行うことが予定されている者であり、当然に議決権の代理行使をする者の範囲に含まれる」とされているため、法定代理人である法定後見人については、当然に議決権の代理行使をする者の範囲に含まれることが明記されています。

 しかし、法定代理人ではない、すなわち法律の定めではなく、委任契約に基づき任意に付与された総会議決権の代理権を行使する任意後見人の場合においては、この理由付けは妥当しません。任意後見人も後見人である以上、代理人資格制限なく議決権行使が認められるべきでないかとは思いますが、やはり法定代理人ではないほか、代理人資格検討による事務の混乱回避、円滑な総会運営確保の観点をも考慮すると、少なくとも解釈が問題になってしまう余地はあると考えられます)

マンション居住者支援信託

 そこで、ご相談者様の御希望を確実に叶える方法として「マンション居住者支援信託」をご提案しました。

 具体的には、マンション(区分所有権)を信託財産として信託契約をすることとし、近くにお住まいのお子様を財産管理者である受託者(=区分所有者)とした上で、

 当初はマンション居住者様が今までと変わらずマンションに居住する等の利益を受けつつ(受益者)、議決権や管理処分権の行使は受託者が対応し、ご逝去後はお子様が残余財産を引継ぐ(帰属権利者)

という信託をご提案しました。

※上記ではかなり簡略化しましたが、実際には、マンション管理組合との調整区分所有法特有の問題を踏まえた信託契約書の作成等、留意すべき点が多々ありますので、必ず専門家にご相談下さい。

③ マンション居住者支援信託の効果

これで、ご相談者様が希望されていた、将来の「マンション管理処分」を確実に実現する仕組みが出来上がりました!

※プライバシー保護のため、事例の内容は一部変えております。

④ 担当弁護士のコメント

 高経年マンションが増加しつつある現状、総会・理事会の運営困難化は、今後ますます、大きな問題となることが懸念されます。

 これまで、これらのマンション管理に伴う問題に関しては、代理等、従来の制度により対応する場面が多かったのではないでしょうか。

 ただ、本来は、次世代へとしっかりと引き継いで行くのが理想的だと思います。

 信託の活用が、超高齢社会に適した新たなマンション管理方法となるとともに、マンション高齢居住者支援にもなるのではないかと考えています。

※その後、「信託フォーラム(vol.14) 2020年10月号」にて、「マンションと信託」という特集で執筆のご依頼を頂戴し、これまであまり研究されてこなかった、区分所有法やマンション管理規約と民事信託との関係等についての論考を寄稿しました。

 信託フォーラム vol.14へ寄稿しました!

 ご相談者様の「想い」を実現するため、弁護士として様々な法制度をご提案しながら、一緒に最善の方法を見つけていくお手伝いをさせて頂ければと思っております。

是非、ご相談ください。

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