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生命保険と家族信託の組み合わせ?




宙に浮く保険金・生命保険の出口の「先」

せっかく生命保険に入っていても、例えば、

①受取人が認知症の場合、請求なく未払いになってしまったり、また、

②仮に保険金が支払われても、受け取った人が認知症などにより財産管理が難しい場合、受領した保険金の「管理」上の課題が残ります。

このように、

 宙に浮く保険金

 ②生命保険の出口の「先」

の問題が生じてしまいますので、生命保険と併せて、家族信託を組み合わせることが重要になってきます。

生命保険協会の提言

2021年4月16日、一般社団法人生命保険協会が、

提言書「超高齢社会への対応-認知症に起因する課題の解決に向けて-」を取りまとめました。

この提言書では、認知症による財産凍結への備えとして、家族信託が紹介されています。

認知症保険×家族信託

現在のところ、いわゆる生命保険信託は、死亡保険金のみを対象とするもの、かつ、商事信託として信託会社が受託者となるものがメインですが、

当事務所では、これらに限られない、認知症保険のようないわゆる第三分野の保険も含めて、家族が受託者となる家族信託と生命保険を組み合わせた活用を、生命保険会社様と連携して進めております。


まとめ:事前対策の重要性

今回ご紹介した生命保険協会の提言には、

欧米主要国における生保業界の高齢社会対応等に関する調査報告」も併せて取りまとめられており、そこでは、

・アメリカでは、法定後見制度の利用は「(任意後見や信託による準備を怠った)人生のプランニングの失敗」を意味する。

とされ、自己責任として事前に準備すべきとの厳しい指摘がなされています。

これまで日本では、家族による代行により何とか乗り切ってきたところもあるかと思いますが、今後は、
 ①いわゆる「おひとりさま」・生涯未婚率の増加
 ②人生100年時代に伴う高齢者の子どもも高齢化

といったことにも対応していかねばならず、家族による代行の限界も示唆されています。

よって、今まで以上に、信託等を活用した事前の準備が重要になってきます。

 

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この記事を担当した弁護士
みなと綜合法律事務所 神奈川県弁護士会所属 海野千宏
保有資格弁護士・民事信託士・宅地建物取引士
専門分野家族信託(組成支援、金融機関における信託契約書審査、設定済み信託をめぐるトラブル対応等)、遺言相続、成年後見、不動産トラブルなど
経歴信託法学会会員 一般社団法人民事信託推進センター理事(マンション支援信託推進委員会委員)
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