面倒をみてきた家族であれば、必ず後見人になれますか?
例えば、認知症等により財産管理に支障が出来てたため、面倒をみてきたご家族が自身を法定後見人に選んでもらおうと家庭裁判所にお願いした場合、
ご家族といえども、必ず後見人に選任してもらえるとは限りません。
候補者が必ず選ばれるわけではない
横浜家裁の場合、後見開始の「申立てにあたって,ご注意・ご了承いただきたい点」として、
「申立書に記載した候補者が必ず選任されるわけではありません。事案に応じて弁護士や司法書士などの専門職を,後見人等に選任したり,監督人に選任する場合があります。専門職などの第三者が後見人等や監督人に選任された場合には,本人の財産から報酬を支払う必要があります。」
と注意喚起しています(横浜家裁HP「成年後見・保佐・補助開始の申立て」)。
候補者選びのポイント
では、どのような場合に第三者が後見人となるのでしょうか?
「裁判所は,本人に高額の財産があったり,親族間で療養看護や財産管理の方針に大きな食い違いがあるような場合,原則として,弁護士,司法書士,社会福祉士など法律や福祉に関する第三者の専門家を成年後見人(保佐人,補助人)に選任しています」とされています。
※横浜家裁「令和3年4月版「後見(保佐,補助)開始の申立ての手引」18頁
【参考】後見制度支援信託・後見制度支援預貯金
以上のほか、最近では、ご本人の預貯金,株式等が多い場合には、200万円程度の預貯金を後見人の手元に残し、残りの大きな金額については信託銀行等に預けるよう、促されることが多いです(成年後見制度支援信託)。
「ご本人の流動資産額(現金,預貯金,株式等の評価額)が多い場合には,ご本人の財産を適切に保護,管理するため,専門職の後見人等や後見等監督人を選任したり,後見制度支援信託・後見制度支援預貯金を活用していただく運用を行っています」
※横浜家裁HP「成年後見・保佐・補助開始の申立て」より
※【参考】「後見制度において利用する信託の概要」(家庭裁判所リーフレット)
これにより、ご家族が後見人に選ばれる可能性は増えましたが、
最終的に、誰が後見人が選任されるかを家庭裁判所が判断することには変わりませんので、ご留意下さい。
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